前歯の歯並びが気になっている。重なっているのか、出ているのか、すき間なのか。自分の状態が何と呼ばれるものなのかも、はっきりしない。
そういう状態でこのページに来た方が多いと思います。
名前を調べると別々の症状として並んでいますが、そのうちのいくつかは、同じ原因から出てきています。そこが分かると、治療の話も繋がって見えます。
前歯に現れる歯並びは、大きく5つ
公開されている分類では、前歯に現れる状態として次が挙げられています。
| 呼び方 | 状態 |
|---|---|
| でこぼこ・ガタガタ(叢生) | 歯が重なり合ったり、ねじれて生えている |
| 出っ歯(上顎前突) | 上の前歯や上顎が前方に突き出している |
| すきっ歯(空隙歯列) | 歯と歯のあいだにすき間ができている |
| 受け口(下顎前突) | 下の前歯や下顎が、上より前に出ている |
| 開咬(オープンバイト) | 上下の前歯が噛み合わず、隙間が空く |
見た目はそれぞれ違います。ただ、上の3つには共通する軸があります。
重なる・出る・すき間は、スペースの過不足で並ぶ
前歯が並ぶ場所の長さは決まっています。そこに、決まった本数の歯が並びます。
歯の幅の合計と、並ぶ場所の長さ。この2つの関係で、見た目が変わります。
| スペース | 結果 | |
|---|---|---|
| 叢生 | 足りない | 収まりきらず、重なる・ねじれる |
| すきっ歯 | 余っている | 間隔が空く |
| 出っ歯 | 並ぶ場所はあるが、下げる場所が足りない | 前に出た位置で並ぶ |
つまり別々の症状というより、1本の軸の上にあるということです。
とくに叢生と出っ歯は、近い関係にあります。スペースが足りないとき、歯には2つの逃げ方があります。重なるか、前に出るか。どちらに逃げたかで見た目が変わりますが、足りていないという状態は同じです。
だから治療の話も同じところに行き着きます。八重歯で抜くのが八重歯自体ではないのも(八重歯の矯正で抜くのは八重歯ではない|犬歯の役割とスペース不足という原因)、出っ歯を下げるのに空間が要るのも(出っ歯はマウスピース矯正で治せる?適応を分けるのは「下げる場所」があるか)、スペースをどう確保するかという同じ問題だからです。
すきっ歯はその逆で、余っている側にあります。この場合は解き方も逆になり、埋めるという選択肢が出てきます(歯の隙間を埋める方法は2系統|「埋める」と「閉じる」は逆向きの治療)。
受け口と開咬は、別の軸
残りの2つは、スペースの話では説明がつきません。
受け口は上下の前後の位置関係、開咬は上下が噛み合うかどうかの問題です。どちらも上下の関係を見ています。
前歯だけを見ていると分かりにくい部分で、噛み合わせという別の軸で評価されます。その分類は噛み合わせは矯正で治せる?「歯並び」とは別の軸で見る7つのタイプで扱っています。
「前歯だけ」で終わるかは、スペースをどこから持ってくるかで決まる
ここが実際的な話になります。
気になっているのが前歯でも、スペースを作る場所が前歯の範囲内にあるとは限りません。
歯を細くしてスペースを作る処置には上限があり、範囲を狭めるほど作れる量も小さくなります。この上限はIPR(ディスキング)とは?矯正で作れるスペースには上限があるで扱っています。
必要な量が範囲内で作れるなら、前歯に絞った治療が成立します。作れないなら、範囲が広がるか、抜歯という選択肢が出てきます。
見えている場所と、動かす必要のある場所は、同じとは限りません。 前歯だけの治療がどこまで成立するかはマウスピース矯正は前歯だけできる?費用・期間と適応の条件を解説で扱っています。
自分の状態を知る順序
名前を突き止めることが目的ではありません。必要な量が何mmかが分かれば、選べる範囲が決まります。
順序としては次のようになります。
① どの状態に当たるか。 重なっているのか、出ているのか、すき間なのか、噛み合わせなのか。
② スペースが足りないのか、余っているのか。 ①が上の3つなら、この軸に乗ります。
③ 差が何mmか。 ここは検査で測られます。自己判断では出ません。
③まで分かると、抜歯が要るのか、範囲をどこまでにするのかが決まってきます。
通院先を大宮周辺で検討する場合は、通いやすさも判断材料になります。なお通院の頻度は医院の方式によって差があり、来院を最低1回※からとしている方式もあります。
※通院回数は治療内容・個人の状態により異なります
よくある質問
自分がどれに当たるか、鏡で分かりますか?
重なりやすき間は見て分かります。ただしスペースが何mm足りないかは、見ても分かりません。
また、複数が重なっていることもあります。前歯が重なっていて、同時に前に出ているという状態です。この場合、どちらを主に扱うかは診断で決まります。
前歯が1本だけねじれています。それだけ動かせますか?
ねじれているのは、まっすぐ並ぶだけの幅がないからであることが多いです。その歯だけを回しても、収まる場所がなければ戻ろうとします。
必要なのは幅を作ることで、そのために動かす範囲が決まります。
昔より前歯が出てきた気がします
歯は年月をかけて動きます。噛み合わせの力や、加齢による変化が関わることがあります。
もともとスペースに余裕がなかった場合、時間の経過とともに前に逃げていくことがあります。気になるのであれば、現状を測ってもらうと変化の程度が分かります。
前歯だけ治せば見た目は変わりますか?
範囲内で必要な量が作れるなら変わります。作れない場合、並べることはできても、下げることはできないという結果になることがあります。
「並べたい」のか「下げたい」のかを先にはっきりさせておくと、話が噛み合います。
まとめ
前歯に現れる歯並びは、大きく5つに分けられます。叢生(でこぼこ)、出っ歯、すきっ歯、受け口、開咬です。
このうち叢生・出っ歯・すきっ歯の3つは、スペースの過不足という1本の軸の上にあります。足りなければ重なり、余ればすき間が空き、そして下げる場所が足りなければ前に出た位置で並びます。
とくに叢生と出っ歯は近い関係にあります。スペースが足りないとき、歯は「重なる」か「前に出る」かのどちらかで逃げます。 見た目は違っても、足りていないという状態は同じです。だから治療の話も、スペースをどう確保するかという同じ問題に行き着きます。
受け口と開咬は別の軸で、上下の関係を見ています。前歯だけを見ていても判断できません。
そして「前歯だけで終わるか」は、スペースを作る場所が前歯の範囲内にあるかどうかで決まります。見えている場所と、動かす必要のある場所は同じとは限りません。
名前を突き止めるより、必要な量が何mmかを知るほうが判断に直結します。これは検査で測られるものです。検査とカウンセリングを無料で受けられる医院であれば、費用をかけずにその確認から始められます。