矯正といえば、まず思い浮かぶのが歯の表面に付ける銀色の装置だと思います。これが表側矯正です。
目立つという点で敬遠されがちですが、対応できる範囲がもっとも広い方法でもあります。
このページでは、なぜ範囲が広いのかを装置の仕組みから説明します。そこが分かると、他の方法との違いも整理できます。
仕組みは「取っ手」と「1本の線」
公開されている解説では、次のように説明されています。
「歯にブラケットと呼ばれる装置を取り付け、そこに金属製のワイヤーを通して歯を少しずつ理想的な位置に動かしていく」
構成はブラケット・ワイヤー・結紮材の3つで、「歯に持続的な力をかけ、少しずつ理想の位置へ動かしていく」方法とされています。
言い換えると、こうなります。
- ブラケット——1本ずつの歯に付けた取っ手
- ワイヤー——それらをつなぐ1本の線
歯1本ごとに、力をかける取っ手が付いている状態です。ここが対応範囲の広さにつながっています。
だから、立体的に動かせる
公開されている解説では、対応について「出っ歯・受け口・開咬・過蓋咬合など、複雑な歯並びや噛み合わせを含む症例」に対応でき、「歯を前後に動かすだけでなく、傾きやねじれまで立体的に細かく調整しやすい」とされています。
この違いは、マウスピース矯正と比べると分かりやすくなります。
マウスピースは歯を面で覆って押す装置です。押す力は作れますが、細かい方向を作りにくいという性質があります。そこで歯の表面にアタッチメント(樹脂の突起)を付けて、取っ手の役割をさせます。
つまり、マウスピース矯正は必要な場所に取っ手を足していく方法で、表側矯正は最初から全部の歯に取っ手が付いている方法だということです。
マウスピース矯正が苦手とする動き(大きな回転、歯根を含めた角度の変更、抜歯スペースへの長距離移動など)は、この違いから出てきます。詳しくは八重歯はマウスピース矯正で治せる?境目は重なりの量と「苦手な動き」で扱っています。
費用と期間の目安
公開されている情報では、次のように示されています。
| 費用の目安 | 通院 | |
|---|---|---|
| 部分矯正 | 30万〜60万円前後 | ワイヤー調整は約4週間に1回程度 |
| 全体矯正 | 60万〜130万円前後 | 同上 |
※これらは自由診療(保険適用外)です。歯に接着したブラケットにワイヤーを通し、持続的な力をかけて歯を動かす治療で、標準的な費用は上表のとおり、通院はワイヤー調整で約4週間に1回程度が目安です。治療期間は全体矯正で1〜3年程度とされ、症例により異なります。動的治療のあとに保定期間が続きます。リスク・副作用として、装着中の痛みや違和感、口内炎ができやすくなること、装置の周りの清掃が難しくなることによる虫歯や歯周病、金属アレルギー、治療期間の延長、治療後の後戻りなどが生じることがあります。また症例によっては適応外と判断される場合があります。
期間が何で決まるかは歯の矯正期間は何で決まる?1ヶ月に動くのは最大1mmという上限で、装置によって費用が変わる理由は歯列矯正の費用は装置で決まる|価格差の理由と、表示価格に入らない調整料で扱っています。
利点と、その裏側
公開されている解説では、次が挙げられています。
利点——「幅広い症例に対応できる」「精密な歯の移動が可能」「装置の自己管理が不要」。つけ忘れを心配する必要がありません。
注意点——装置が目立ちやすい/「口内炎ができやすくなることがある」/「食べ物が装置に絡まりやすく、食事後のケアや歯磨きがやや難しくなる」/金属アレルギーのリスク。
ここで押さえておきたいのは、「自己管理が不要」は選べないことの裏返しだという点です。
外せないので、装着時間が不足することはありません。治療の進行は医院側で制御されます。一方、外せないので食事にも清掃にも制限がかかります。
課題の場所が違うという構造はインビザラインとワイヤーはどっち?選べるのは両方が適応のときだけで扱っています。
「目立つ」は、ある程度まで変えられる
表側矯正が敬遠される一番の理由は見た目だと思いますが、装置には種類があります。
公開されている解説では次が挙げられています。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| メタルブラケット | 金属製でスタンダード。耐久性が高い |
| セラミックブラケット | 歯の色になじみやすく審美性が高い |
| プラスチックブラケット | 非常に目立ちにくいが変色しやすい |
| ジルコニアブラケット | 高強度・高審美性で割れにくい |
| ホワイトワイヤー | 白くコーティングされ目立ちにくい |
ブラケットとワイヤーの両方に選択肢があります。仕組みは同じまま、見え方だけを変えられるということです。
ただし種類によって費用や耐久性が変わるため、どこまで目立たなくするかは、費用との兼ね合いになります。
通院先を大宮周辺で検討する場合は、通いやすさも判断材料になります。ワイヤー調整で約4週間に1回程度の通院になるため、実際的な条件です。なお通院の頻度は医院の方式によって差があり、来院を最低1回※からとしている方式もあります。
※通院回数は治療内容・個人の状態により異なります
よくある質問
マウスピース矯正ではなく表側矯正をすすめられました
必要な移動の量と方向によって、使える装置が決まります。希望では選べません。この考え方は歯科矯正でマウスピースを選べるのはどんなとき?装置の決まり方を解説で扱っています。
すすめられた場合は「なぜこの装置なのか」を聞いてください。範囲の問題なのか、動きの種類の問題なのかで、納得のしかたが変わります。
痛みはどのくらいですか?
調整の直後に強く出て、次第に落ち着くという出方が一般的とされています。約4週間に1回の調整のたびに繰り返されます。
加えて、装置が粘膜に当たることで口内炎ができやすくなることがあります。ワックスでカバーする方法があるため、担当している医院に相談してください。
食事に制限はありますか?
装置を付けたまま食べることになるため、硬いものや粘着性のあるものには注意が要ります。装置が外れたり、変形したりする原因になります。
また食べ物が絡まりやすいため、食後の清掃の手間が増えます。ここが日常の負担としては一番大きい部分です。
途中でマウスピース矯正に変えられますか?
医院や状況によります。適応の範囲が変わるため、途中で切り替えられるとは限りません。
始める前に、計画どおりに進まなかった場合や希望が変わった場合の扱いを確認しておくと、そのときに困りません。
まとめ
表側矯正は、歯1本ずつにブラケットという取っ手を付け、ワイヤーでつないで動かす方法です。この仕組みが、対応範囲の広さの理由になっています。
歯ごとに力をかける点があるため、「歯を前後に動かすだけでなく、傾きやねじれまで立体的に細かく調整しやすい」とされています。マウスピース矯正が必要な場所に取っ手(アタッチメント)を足していく方法であるのに対し、表側矯正は最初から全部の歯に取っ手が付いているという違いです。
費用の目安は部分矯正で30万〜60万円前後、全体矯正で60万〜130万円前後。通院はワイヤー調整で約4週間に1回程度とされています。
利点は「幅広い症例に対応できる」「精密な歯の移動が可能」「装置の自己管理が不要」。ただし「自己管理が不要」は選べないことの裏返しでもあり、食事や清掃には制限がかかります。口内炎ができやすくなることや、金属アレルギーのリスクも挙げられています。
見た目については、セラミック・プラスチック・ジルコニアといったブラケットや、白くコーティングされたワイヤーという選択肢があります。仕組みは同じまま、見え方だけを変えられます。
どの装置になるかは希望ではなく、必要な移動の量と方向で決まります。検査とカウンセリングを無料で受けられる医院であれば、費用をかけずにその確認から始められます。