親知らずを抜くことになりそうで、費用を調べている。数千円という数字も、1万円を超える数字も出てきて、どれが自分に当てはまるのか分からない。
そういう状態でこのページに来た方が多いと思います。
幅があるのには理由が2つあります。生え方と、抜く理由です。
生え方で、費用が3倍以上変わる
公開されている情報では、保険適用の場合の費用が次のように示されています。
| 生え方 | 保険点数 | 費用(3割負担時) |
|---|---|---|
| まっすぐ生えた親知らず | 857点 | 約2,571円 |
| 埋伏(歯ぐきに埋まった)親知らず | 2,702点 | 約8,106円 |
同じ親知らずでも、3倍以上の差があります。
埋まっている歯を抜くには、歯ぐきを開いたり、歯を分割したりといった処置が加わります。手間の量がそのまま点数に出ている形です。
だから「親知らずの抜歯はいくらか」という問いには、生え方を見ないと答えられません。レントゲンを撮れば分かる部分なので、見積もりを聞くときは撮影後になります。
表示されている抜歯代だけでは終わらない
もうひとつ、見落としやすい点があります。
抜歯の費用とは別に、次のようなものがかかります。
- 初診料・再診料(再診料は3割負担時58点)
- 検査料(パノラマX線撮影は402点)
- 麻酔代(浸潤麻酔は30点)
- 投薬代(処方料・調剤料・薬剤情報提供料など)
抜歯そのものの金額だけを見ていると、実際の支払いとずれます。 とくに埋伏の場合は撮影や処置が増えるため、合計の差はさらに開きます。
値段を決めているのは「なぜ抜くか」
ここが本質的な分かれ目です。
公開されている情報では、保険の扱いが次のように整理されています。
| 扱い | |
|---|---|
| 虫歯・歯周病による抜歯 | 保険適用 |
| 親知らずの抜歯 | 保険適用 |
| 矯正治療のための抜歯 | 保険適用外が原則 |
そして矯正のために小臼歯を抜く場合、費用は1本5,000〜15,000円とされています。
※矯正治療のための抜歯は自由診療(保険適用外)にあたり、費用は上記のとおり医院によって異なります。抜歯後は歯を動かす治療が続き、期間・通院回数は症例により変わります。リスク・副作用として、抜歯にともなう腫れ・痛み・出血、まれに神経の一時的な感覚の変化などが生じることがあり、抜いた歯は元に戻せません。矯正治療では装着中の痛みや違和感、治療期間の延長、治療後の後戻りが生じることがあります。
つまり、抜く歯の種類ではなく、抜く目的で区分が変わります。同じ小臼歯でも、虫歯が原因なら保険、矯正が目的なら自由診療という形です。
原因によって費用の桁が変わる構造は、前歯を小さくする処置でも同じです。この例は前歯を削って小さくする費用は?原因で3,000円から100万円まで変わる理由で扱っています。
矯正のために親知らずを抜く場合は、確認が要る
ここは正直に書いておきます。
公開されている情報には、「親知らずの抜歯は保険適用」と「矯正治療のための抜歯は保険適用外が原則」という2つの記載があります。
では、矯正のために親知らずを抜く場合はどちらに当たるのか。ここははっきりした記載を確認できませんでした。
推測で書くことはできないので、そのまま書きます。この点は、抜歯を受ける医院に直接確認してください。 聞き方としては次のようになります。
「この抜歯は保険診療になりますか、自由診療になりますか」
親知らずの状態(虫歯や炎症があるかどうか)によっても扱いが変わる可能性があります。抜く前に確認しておけば、支払いの段階で想定とずれません。
なお矯正の治療費そのものについては、保険が使えるのは限られた3つの場合だけです。この条件は歯列矯正で保険が使えるのは3つの場合|「歯並びの悪さ」では決まらないで扱っています。
そもそも抜くかどうかは、別の判断
費用の話の前に、抜く必要があるのかという判断があります。
矯正で抜歯が必要かどうかは、スペースが足りているかで決まります。そして医院によって判断が分かれることがあります。その理由は矯正で抜歯が必要と言われる理由|医院によって判断が分かれるのはなぜかで扱っています。
親知らずについては、矯正とは別に、虫歯や炎症、隣の歯への影響といった観点で判断されることがあります。矯正の相談で抜歯をすすめられた場合、その理由が矯正のためなのか、親知らず自体の問題なのかを聞いておくと、保険の扱いも含めて整理できます。
抜歯を伴う矯正の全体像は抜歯矯正で抜くのはどの歯?期間の大半を占める「隙間を閉じる工程」で扱っています。
通院先を大宮周辺で検討する場合は、通いやすさも判断材料になります。なお通院の頻度は医院の方式によって差があり、来院を最低1回※からとしている方式もあります。
※通院回数は治療内容・個人の状態により異なります
よくある質問
結局いくら用意しておけばいいですか?
生え方によります。保険適用でまっすぐ生えていれば約2,571円、埋伏していれば約8,106円が抜歯そのものの目安です(いずれも3割負担時)。これに初診料・検査料・麻酔代・投薬代が加わります。
正確な金額は、レントゲンを撮って生え方が分かってからになります。
4本まとめて抜くと安くなりますか?
本数分の費用がかかるのが基本です。ただし通院回数はまとめられることがあり、そのぶん初診料や検査料の重複は減る可能性があります。
一度に何本抜くかは費用だけでなく、体への負担や生活への影響でも判断されます。
大学病院を紹介されました。費用は変わりますか?
保険診療であれば、点数の仕組みは同じです。ただし紹介状の有無による加算など、医療機関の種別に応じた費用が別に生じることがあります。
難しい生え方の場合に紹介されることがあるため、なぜ紹介されるのかもあわせて聞いておくと納得しやすくなります。
抜かずに矯正できませんか?
必要なスペースが抜かずに作れる範囲に収まっていれば可能です。ただし作れる量には上限があります。
そして親知らずについては、矯正のスペースづくりとは別の理由で抜歯が検討されることもあります。目的を分けて聞くと、判断材料が整理できます。
まとめ
親知らずの抜歯費用に幅があるのは、生え方と抜く理由という2つの要因があるからです。
生え方では、保険適用の場合でまっすぐ生えていれば約2,571円(857点)、埋伏していれば約8,106円(2,702点)と、3倍以上の差があります。埋まっている歯ほど処置が増えるためです。
さらに、抜歯そのものの費用に加えて初診料・検査料・麻酔代・投薬代がかかります。表示されている金額だけでは終わりません。
そして区分を決めているのは、抜く歯の種類ではなく抜く目的です。虫歯・歯周病による抜歯と親知らずの抜歯は保険適用、矯正治療のための抜歯は保険適用外が原則とされています。矯正のための小臼歯抜歯は1本5,000〜15,000円が目安です。
矯正のために親知らずを抜く場合にどちらの扱いになるかは、はっきりした記載を確認できませんでした。 推測はできないので、「この抜歯は保険診療になりますか、自由診療になりますか」と、受ける医院に直接確認してください。
抜歯をすすめられたときは、その理由が矯正のためなのか、親知らず自体の問題なのかを聞いておくと、費用の扱いも含めて整理できます。