矯正はしたいけれど、装置が見えるのは避けたい。調べると「目立たない矯正」がいくつも出てきて、どれを選べばいいのか分からない。
そういう状態でこのページに来た方が多いと思います。
先にお伝えすると、目立たなさで並べても選べません。理由は、目立たなさが近い方法どうしでも、代わりに引き受けるものがまったく違うからです。
4つを並べてみる
公開されている情報では、次のように整理されています。
| 方法 | 目立たなさ | 費用(全体矯正) | 代わりに引き受けるもの |
|---|---|---|---|
| 審美ブラケット・ホワイトワイヤー | ★★★☆☆ | 80万〜95万円 | 金属製に比べて破損しやすい傾向/プラスチック製は変色・劣化/塗装が剥がれることがある |
| 裏側矯正 | ★★★★☆ | 100万〜170万円 | 舌に当たりやすく話しづらさを感じる/歯磨きしづらく汚れが残りやすい/表側より期間が長引く傾向 |
| ハーフリンガル矯正 | ★★★★☆ | 80万〜150万円 | 噛み合わせの変化により目立つ可能性 |
| マウスピース矯正 | ★★★★☆ | 60万〜100万円(部分矯正は33万円) | 1日20時間以上の装着が必須/自己管理が必要/紛失・破損のリスク |
※これらは自由診療(保険適用外)です。いずれも装置で歯を動かす治療で、標準的な費用は上表のとおり、治療期間・通院回数は症例により異なります(マウスピース矯正の部分矯正は平均3ヶ月とされています)。リスク・副作用として、装着中の痛みや違和感、方法によっては発音のしにくさ、装置の周りの清掃が難しくなることによる虫歯や歯周病、装着時間が不足した場合の治療期間の延長、治療後の後戻りなどが生じることがあります。また診断の結果、適応外と判断される場合があります。
目立たなさは並ぶのに、費用は3倍近く違う
表を見ると、目立たなさで★4つが3つ並びます。裏側矯正、ハーフリンガル矯正、マウスピース矯正です。
一方、費用は60万円から170万円まで、3倍近い開きがあります。
同じくらい目立たないのに、なぜこれだけ違うのか。 払っているものが違うからです。
- 裏側矯正——装置を歯の裏側に付けるための技術と手間。そのぶん話しづらさと清掃の難しさ、そして期間が長引く傾向を引き受けます
- ハーフリンガル——上だけ裏側にする方法です。費用を抑えつつ、よく見える側を隠します
- マウスピース矯正——装置そのものが透明で、外せます。そのぶん装着時間の管理を自分で引き受けます
つまり、目立たなさは似ていても、日常で背負うものが違うということです。
いちばん重要なのは、適応の広さ
ここが決定的です。
表の中で、対応できる症例に制限が明記されているのはマウスピース矯正だけです。公開されている情報では、抜歯が必要な大きな乱れには不適応とされています。
つまり、もっとも費用が抑えられて目立たない選択肢が、もっとも適応が狭いという関係になっています。
だから「目立たない順」や「安い順」で選んでも、検査の結果で候補から消えることがあります。
装置は希望では選べません。必要な移動の量と方向によって、使えるものが決まります。この考え方は歯科矯正でマウスピースを選べるのはどんなとき?装置の決まり方を解説で扱っています。
そしてワイヤーを使う方法(審美ブラケット・裏側・ハーフリンガル)は、いずれも歯1本ずつに取っ手を付けて動かす仕組みです。だから対応できる範囲が広くなります。この仕組みは表側矯正とは?1本ずつ「取っ手」を付けるから細かく動かせるで扱っています。
「目立つ」は装置の位置と素材で決まる
整理すると、目立たなくする方法は3通りしかありません。
① 素材を歯の色に近づける——審美ブラケット、ホワイトワイヤー。位置は表側のままなので、★3つに留まります。
② 装置を裏側に移す——裏側矯正、ハーフリンガル。見えなくなる代わりに、舌に当たる問題が出ます。
③ 装置そのものを透明にして、外せるようにする——マウスピース矯正。ただし外せることが自己管理の必要性につながります。
①は素材、②は位置、③は装置の種類そのものを変えています。だから引き受けるものも別々になります。
なお②の裏側矯正には、ホワイトニングとの兼ね合いもあります。装置が邪魔になり、自宅で行う方法が使えません。この点は矯正中にホワイトニングはできる?答えは装置の種類で3つに分かれるで扱っています。
選ぶ順序
順番を間違えなければ、迷いにくくなります。
① 適応で候補を絞る。 検査を受けて、どの方法が使えるかを確定させます。ここで選択肢が1つに決まることもあります。
② 引き受けられるものを選ぶ。 話しづらさか、清掃の手間か、装着時間の管理か。どれなら自分は続けられるかという基準です。
③ 費用を比べる。 ①②を通ったものだけを並べます。
目立たなさは①〜③のあとに残った選択肢の中で比べるものであって、最初の軸にはなりにくい、ということです。
装置によって費用が変わる理由は歯列矯正の費用は装置で決まる|価格差の理由と、表示価格に入らない調整料で扱っています。
通院先を大宮周辺で検討する場合は、通いやすさも判断材料になります。なお通院の頻度は医院の方式によって差があり、来院を最低1回※からとしている方式もあります。
※通院回数は治療内容・個人の状態により異なります
よくある質問
いちばん目立たないのはどれですか?
公開されている評価では、裏側矯正・ハーフリンガル矯正・マウスピース矯正が同じ★4つとされています。この3つのあいだで、目立たなさによる差は付けにくいということです。
差が出るのは、費用と、代わりに引き受けるものです。
裏側矯正は本当に見えませんか?
装置は歯の裏側にあるため、外からはほぼ見えません。ただし舌に当たりやすく、話しづらさを感じるとされています。
見た目以外の部分に影響が出る方法だという前提で検討してください。
マウスピース矯正が安くて目立たないなら、それでいいのでは?
条件が合えばそうなります。ただし抜歯が必要な大きな乱れには不適応とされています。
安くて目立たないという条件は、適応の範囲が狭いことと引き換えです。自分がその範囲に入るかは、検査を受けないと分かりません。
途中で目立つ方法に変えることはありますか?
計画どおりに進まなかった場合、方法を変える判断がされることがあります。その場合、費用の扱いがどうなるかを始める前に確認しておいてください。
装置ごとの向き不向きはインビザラインとワイヤーはどっち?選べるのは両方が適応のときだけで整理しています。
まとめ
目立たない矯正には4つの方法があります。審美ブラケット・ホワイトワイヤー(★3)、裏側矯正(★4)、ハーフリンガル矯正(★4)、マウスピース矯正(★4)です。
目立たなさで★4つが3つ並ぶ一方、費用は60万円から170万円まで3倍近い開きがあります。 払っているものが違うためです。
そして代わりに引き受けるものが、それぞれ違います。裏側矯正は話しづらさと清掃の難しさ、そして期間が長引く傾向。ハーフリンガルは噛み合わせの変化で目立つ可能性。マウスピース矯正は1日20時間以上の装着と自己管理。審美ブラケットは破損しやすさと変色です。
いちばん重要なのは適応です。対応できる症例に制限が明記されているのはマウスピース矯正だけで、抜歯が必要な大きな乱れには不適応とされています。つまりもっとも費用が抑えられて目立たない選択肢が、もっとも適応が狭いという関係です。
だから選ぶ順序は、①適応で候補を絞る → ②引き受けられるものを選ぶ → ③費用を比べるになります。目立たなさは、そのあとに残った中で比べるものです。