サービス名と自分の歯並びを並べて検索している。八重歯が気になっていて、この方式で対応してもらえるのかを確かめたい。
そういう状態でこのページに来た方が多いと思います。
先にお伝えしておくと、サービス名だけでは答えが出ません。理由が2つあり、どちらも読者の側では決められないところにあります。
プランは、自分では選べない
まず料金の構成です。Oh my teethで公開されている料金プランは次のようになっています。
| プラン | 費用(税込) | 対応する範囲 |
|---|---|---|
| Lite | 15万円 | 上下前歯12本(犬歯から犬歯まで)の軽度な調整。マウスピース7枚以内 |
| Basic | 330,000円 | 上下前歯12本 |
| Pro | 660,000円 | 上下24本 |
※これらは自由診療(保険適用外)です。透明なマウスピースを段階的に交換して歯を動かす治療で、標準的な費用と対応範囲は上表のとおりです。治療期間はLiteで平均2ヶ月(2025年実績値)とされ、対応範囲の広い上位プランではこれより長くなります。期間・通院回数はいずれも症例により異なり、動的治療のあとに保定期間が続きます。リスク・副作用として、装着中の痛みや違和感、発音のしにくさ、装着時間が不足した場合の治療期間の延長や計画どおりに歯が動かないこと、治療後の後戻りなどが生じることがあります。また診断の結果、適応外と判断される場合があります。
ここで見落とされやすいことがあります。公式の説明では、「どのプランで治療するかを自分では選べない」とされています。
3Dスキャンやレントゲンによる検査を受け、歯科医師の診断でどの範囲の治療が要るかが確定します。プランは、その結果として決まります。
料金表の一番安い額を見て「この予算で始められる」と考えていた場合、ここが最初のずれになります。15万円という額は選ぶものではなく、診断で当てはまった人に適用されるものです。
八重歯は、対応範囲の境目に当たりやすい
2つめの理由が本題です。
公式の説明では、Oh my teethは「軽度から中度の症例に特化した歯科矯正サービス」と位置づけられています。そして、診断で次に当てはまる場合は対応できないとされています。
- 抜歯が必要な場合
- 矯正したい範囲にインプラント、ブリッジ、入れ歯などがある場合
- 重度の顎関節症の場合
筆頭にあるのが抜歯の要否です。ここが八重歯と直接ぶつかります。
八重歯は、犬歯が歯列の外側に出ている状態です。その原因は歯そのものではなく、並ぶための場所が足りていないことにあります。この仕組みは八重歯の矯正で抜くのは八重歯ではない|犬歯の役割とスペース不足という原因で扱っています。
原因がスペース不足であるということは、治すにはスペースを作る必要があるということです。そしてでこぼこが大きければ、そのスペースは抜歯でしか作れません。
つまり八重歯は、このサービスが引いている線をまたぐ可能性が構造的に高い歯並びだということです。軽度なら範囲に入り、重度なら範囲から外れる。同じ「八重歯」という言葉でも、行き先が分かれます。
境目はどこにあるのか
では、どのあたりが境目なのか。スペースの量で見ると具体になります。
抜歯をせずにスペースを作る方法として、歯の側面のエナメル質をわずかに削るIPRがあります。ここで作れる量には上限があり、およそ3〜6mm程度とされています。この上限についてはIPR(ディスキング)とは?矯正で作れるスペースには上限があるで扱っています。
必要なスペースがこの範囲に収まれば、抜歯をせずに済む可能性があります。収まらなければ抜歯が検討されます。必要な量と、抜かずに作れる量。その差が線引きになります。
なお、抜歯が必要かどうかの判断は医院によって分かれることがあります。その理由は矯正で抜歯が必要と言われる理由|医院によって判断が分かれるのはなぜかで扱っています。
もうひとつ、Liteプランについては範囲がはっきり数で示されています。マウスピース7枚以内という上限です。
マウスピース1枚で動かせる距離は0.25〜0.35mm程度とされています(インビザラインとは?1枚で動くのは0.25mm、枚数が治療の規模を決めるで扱っています)。7枚という上限は、動かせる距離としては2mm前後のオーダーにあたります。
ただしこれは目安の感覚であって、計算で治療計画が決まるわけではありません。歯ごとに必要な移動量は違いますし、傾きや回転も含まれます。「7枚で足りるかどうか」は診断の結果として出るものです。
ここで押さえておきたいのは、Liteの対応外になる条件として公式が「マウスピース7枚を超える治療計画になる場合」「前歯12本の範囲を超える広範囲の矯正が必要なケース」「噛み合わせの改善が必要なケース」を挙げていることです。八重歯の程度によっては、これらに当たります。
対応外と言われた場合、どこへ行くのか
ここは正直に書いておきます。
診断の結果、このサービスでは対応できないと言われることがあります。八重歯の場合、その可能性は他の主訴より高めです。
ただし、それは歯並びが治せないという意味ではありません。範囲から外れたということであって、行き止まりではありません。
抜歯を伴う全体矯正や、ワイヤー矯正という選択肢があります。とくに大きな移動が必要な場合、対応できる範囲はワイヤー矯正のほうが広くなります。装置ごとの違いはインビザラインとワイヤーはどっち?選べるのは両方が適応のときだけで整理しています。
そして、それらはこのサービスの外にある治療です。対応外と言われた場合は、抜歯を含む治療を扱っている医院に相談することになります。
断られたあとにどう動けばいいかという考え方は部分矯正ができない例とは?断られる理由と言われたあとの選択肢で扱っています。
「追加費用なし」の中身は確認しておく
費用について、追加費用が発生しない仕組みが案内されています。ただし公式自身が例外を4つ挙げています。
- マウスピースの破損・紛失
- 装着時間が不足したことによる再矯正
- リテーナーの購入
- 後戻りによる再矯正
いずれも治療そのものの追加料金ではなく、装置の作り直しや保定に関わるものです。とくに下の2つは、装着時間の管理と保定という自己管理の領域にあたります。
契約前に、これらがどう扱われるかを確認しておくと、あとで想定とずれません。
通院先を大宮周辺で検討する場合は、通いやすさも判断材料になります。なお通院の頻度は医院の方式によって差があり、来院を最低1回※からとしている方式もあります。
※通院回数は治療内容・個人の状態により異なります
よくある質問
15万円のプランで八重歯を治せますか?
診断次第です。Liteプランは上下前歯12本の軽度な調整が対象で、マウスピース7枚以内という上限があります。八重歯で必要なスペースの量によっては、この範囲を超えます。
そしてプランは自分で選べません。検査を受けたうえで、どの範囲の治療が要るかが判断されます。
自分の八重歯が軽度か重度かは、見て分かりますか?
見た目の目立ち方と、必要な治療の規模は一致しません。判断されるのはどれだけスペースが足りていないかであって、飛び出し方の印象ではありません。
写真や自己判断で分かる範囲には限りがあります。レントゲンや歯型のデータを取ったうえで判断されます。
抜歯が必要と言われたら、もうマウスピース矯正はできませんか?
このサービスの範囲からは外れます。ただしマウスピース矯正という装置そのものが使えなくなるわけではなく、抜歯を伴う治療に対応している医院であれば選択肢に残ることがあります。
対応できる範囲は事業者や医院によって違うため、範囲の広いところに相談し直すという動き方になります。
八重歯だけを部分的に動かすことはできますか?
八重歯が外に出ているのは、隣の歯との位置関係でスペースが足りていないからです。その歯だけを動かしても、収まる場所がなければ元に戻ろうとします。
どこまでを動かす必要があるかは、原因がどの範囲に及んでいるかで決まります。ここも診断の対象です。
まとめ
「このサービスで八重歯は治せるか」という問いは、サービス名では答えが出ません。
理由の1つめは、プランを自分で選べないことです。Lite・Basic・Proのどれになるかは、3Dスキャンやレントゲンによる検査を受けたうえで、歯科医師の診断で確定します。料金表の一番安い額は、選ぶものではなく当てはまった人に適用されるものです。
2つめは、八重歯が対応範囲の境目に当たりやすい歯並びであることです。このサービスは軽度から中度に特化しており、抜歯が必要な場合は対応できないとされています。一方で八重歯の原因はスペース不足であり、でこぼこが大きければスペースは抜歯でしか作れません。だから同じ「八重歯」でも、軽度なら範囲に入り、重度なら外れます。
境目はスペースの量で決まります。抜かずに作れるのはIPRでおよそ3〜6mm程度。Liteに限ればマウスピース7枚以内という上限があり、距離としては2mm前後のオーダーにあたります。
対応外と言われることは、歯並びが治せないという意味ではありません。抜歯を伴う全体矯正やワイヤー矯正という選択肢があり、それらはこのサービスの外にあります。範囲の広い医院に相談し直せば進められます。
どちらに当たるかは、検査を受けないと分かりません。検査とカウンセリングを無料で受けられるので、まず自分がどちら側なのかを確かめるところから始められます。