ホームホワイトニングを始めようとして、マウスピースの値段を調べた。市販のキットは1,000円台からあるのに、歯科医院で作ると数万円する。
何がそんなに違うのかが分からないまま、判断できずにいる。
そういう状態でこのページに来た方が多いと思います。差の正体は、装置の豪華さではありません。
マウスピースは「容器」ではなく「密着させる型」
まず役割を押さえておくと、あとが早くなります。
ホワイトニングの薬剤は、歯の面に接しているところにしか働きません。マウスピースは薬剤をこぼさないための容器ではなく、薬剤を歯の面に均一に押し当てておくための型です。
ここが分かると、値段の差の意味が変わります。
- 市販キット——お湯で軟らかくして歯に押し当て、冷めたら形が残る方式です。自分の歯型に近づけるもので、歯並びによっては合わない部分が残ります
- 歯科医院で作るもの——歯型を採り、模型からオーダーメイドで製作します。個々の歯の面に合わせた型になります
つまり差になっているのは、薬剤が届く面積と、漏れの少なさです。
合っていない部分では薬剤が届かず、そこだけ色が残ることがあります。逆に浮いている部分から薬剤が漏れれば、歯ぐきに触れて刺激になります。
どちらが正解ということではありません。 精度を取るか、価格と手軽さを取るかという交換条件です。
入手の方法と、費用の目安
公開されている情報では、次のように整理されています。
| 費用の目安 | 期間 | |
|---|---|---|
| 歯科医院でのマウスピース製作 | 10,000〜30,000円程度 | 歯型を採ってから数日〜2週間で完成 |
| ホワイトニングジェル(薬剤) | 1週間分で5,000〜10,000円前後 | — |
| 市販キット | 1,000円台から購入できる製品もある | その場で成形 |
※歯の色を白くするホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。専用のマウスピースに薬剤を入れて歯に密着させ、自宅で一定時間装着する治療で、標準的な費用と期間は上表のとおりです(症例により異なります)。効果の現れ方には個人差があり、回数や期間は状態によって変わります。リスク・副作用として、施術中や施術後に知覚過敏(しみる感覚)が生じることがあります。また色ムラが出ること、時間の経過とともに色が戻ること、詰め物や被せ物は白くならないこと、歯や歯ぐきの状態によっては適応外と判断される場合があります。
歯科医院で作る場合、いきなり型を採るわけではありません。公開されている手順では、まず口の中の状態を確認し、虫歯や歯石があれば先に治療します。薬剤がしみたり、状態が悪いところに作用したりするのを避けるためです。
費用は「一度きり」と「続く」に分かれる
比較するときに条件が揃いにくいのは、性質の違う費用が並んでいるからです。
| 性質 | |
|---|---|
| マウスピースの製作費 | 一度きり(作り直しがなければ) |
| ジェル(薬剤)代 | 続く費用。期間に比例する |
市販キットの1,000円台という数字は、初期費用だけを指しています。薬剤は市販キットでも使い続けるので、そこは同じようにかかります。
だから比べるときは、こう置き換えると条件が揃います。
総額 = 初期費用 +(続ける期間 × 薬剤代)
短期間で試したいのか、長く続けるつもりなのか。期間の見込みによって、どちらが安いかは入れ替わります。
すでにマウスピースを持っている場合
矯正中の方や、治療後にリテーナーを使っている方は、入口が変わります。
公開されている解説では、「すでにマウスピース矯正中の方や、リテーナーを使っている方は、そのマウスピースをホームホワイトニングに流用できるケースもあります」とされています。ただし歯科医師への相談が必要とされています。
一方で、流用が向かない場合も挙げられています。
- アタッチメントが付いている場合——歯に樹脂の突起を付けて動かしているとき、その部分でホワイトニングの効果が落ちる可能性があります
- 裏側矯正の場合——歯の裏側の装置が邪魔になり、ホワイトニング用のマウスピースを装着できないため流用できません
リテーナーの種類によっても事情が変わります。取り外せるものと固定式のものがあり、固定式では歯を覆う形になりません。種類の違いはリテーナーはなぜ必要?後戻りを起こす2つの力と種類の選び方で、装着時間を段階的に減らしていく考え方はリテーナーはいつまで?「やめる」のではなく段階的に減らしていくもので扱っています。
なお、矯正の途中で行う場合はタイミングの問題が出てきます。歯が動いている最中は面の当たり方が変わるためで、この点はマウスピース矯正中のホワイトニングはいつやる?タイミングと色ムラの避け方で扱っています。
白くならないものがある
期待の置きどころとして、先に知っておきたいことです。
ホワイトニングの薬剤が作用するのは天然の歯です。詰め物や被せ物、セラミックは白くなりません。周りの歯だけが白くなると、元は合っていた色が浮いて見えることがあります。
人工物を使った治療との関係はセラミック矯正は「絶対ダメ」?歯を動かさない治療だと分かると判断できるで扱っています。
また、矯正で歯の色は変わりません。矯正は歯を動かす治療で、色は扱いの外にあります。並びと色は別の相談になります。
お手入れについても一点だけ。使用後は水道水で洗い流します。お湯は使わないでください。マウスピースが変形し、密着しなくなります。密着が落ちれば、そのまま効果に響きます。
通院先を大宮周辺で検討する場合は、通いやすさも判断材料になります。なお通院の頻度は医院の方式によって差があり、来院を最低1回※からとしている方式もあります。
※通院回数は治療内容・個人の状態により異なります
よくある質問
市販のキットではだめですか?
だめということはありません。費用と手軽さでは明確に有利です。
押さえておきたいのは、歯並びによって合い方が変わるという点です。重なりやねじれがあると、密着しない部分が出て色ムラの原因になります。並びが整っているほど、市販品でも差が出にくくなります。
歯科医院で作ったマウスピースは、どのくらい使えますか?
使い方と保管によって変わります。変形させなければ繰り返し使えますが、歯が動けば合わなくなります。
矯正後に歯が動いた場合や、治療で歯の形が変わった場合は、作り直しが必要になることがあります。歯は年月をかけて動くことがあり、その中身は矯正から10年で歯が動いた?後戻りと加齢による変化は分けて考えるで扱っています。
矯正用のマウスピースをそのまま使っていいですか?
自己判断で使わないでください。流用できるケースはあるとされていますが、アタッチメントの有無や治療の段階によって変わります。
薬剤を入れることで装着感が変わることもあるため、担当している医院に確認してから始めてください。
どのくらいで白くなりますか?
一概には言えません。もともとの歯の色や原因によって、変化の出方が違います。
変わらない部分があるという前提で始めると、期待とのずれが小さくなります。詰め物や被せ物がある場合は、そこがどう見えるかも含めて相談してください。
まとめ
ホームホワイトニングのマウスピースは、薬剤の容器ではなく薬剤を歯の面に均一に押し当てておくための型です。だから値段の差は装置の豪華さではなく、薬剤が届く面積と漏れの少なさの差になります。
市販キットはお湯で成形して歯型に近づけるもの、歯科医院のものは歯型を採ったオーダーメイドです。どちらが正解ということはなく、精度を取るか、価格と手軽さを取るかという交換条件です。
費用は性質が2つに分かれます。マウスピースの製作費は一度きり、薬剤代は期間に比例して続きます。総額=初期費用+(期間×薬剤代)として見ると、比較の条件が揃います。
すでにマウスピース矯正中の方やリテーナーを使っている方は、流用できるケースもあるとされています。ただしアタッチメントがあると効果が落ちる可能性があり、裏側矯正では流用できません。自己判断ではなく確認してから始めてください。
そして、詰め物や被せ物、セラミックは白くなりません。矯正でも歯の色は変わりません。並びと色は別の相談になります。
自分の歯並びで市販品が合うのか、流用が可能なのかは、状態を見てもらうと判断できます。検査とカウンセリングを無料で受けられる医院であれば、費用をかけずにその確認から始められます。