矯正を始めるのに適した年齢はあるのか。もう遅いのではないか。あるいは、子どもにいつ受けさせればいいのか。
そういう状態でこのページに来た方が多いと思います。
「何歳がベストか」という問いには、子どもと大人でまったく違う答えが返ってきます。見ているものが違うからです。
子どもは年齢に意味があり、大人は年齢に上限がない
先に結論を置きます。
| 何で決まるか | 理由 | |
|---|---|---|
| 子ども | 年齢(時期) | あごの成長を使えるのは、その時期だけだから |
| 大人 | 歯と歯ぐきの状態 | 成長が終わっているため、時期による差がなくなるから |
つまり成長期を過ぎると、軸が「年齢」から「状態」に切り替わります。
「何歳がベストか」が問いとして成立するのは、成長を使える時期がある子どものほうです。
子どもの矯正は、時期で取れる手が変わる
公開されている情報では、子どもの矯正はおおよそ次のように区分されています。
| 時期 | 年齢の目安 | 内容 |
|---|---|---|
| 0期治療 | 3歳〜5歳ごろ | 乳歯の時期に悪習慣を改善したり、噛み合わせによるあごのズレを改善したりする |
| 第一期治療 | 6歳〜12歳ごろ | あごの成長を利用して、永久歯が正しい位置に生えるよう誘導する |
| 第二期治療 | 12歳以降 | 永久歯が生え揃ってから、大人の矯正と同様に歯を並べる |
注目したいのは第一期治療です。「あごの成長を利用して」とあるとおり、成長そのものに働きかける方法で、これは成長が終わったあとには選べません。
時期を過ぎると、取れる手が減るということです。だから子どもの場合は「早いほうがいい」というより、選択肢が多いうちに一度診てもらうという考え方になります。
大人は「何歳まで」ではなく「どういう状態か」
一方、大人の矯正には年齢の上限が示されていません。
公開されている情報では、「歯と歯茎、あごの骨が健康であれば、何歳からでも矯正治療は可能」とされています。実例として、50代・60代で治療を受けた方の例も示されています。
そして、治療できるかどうかを決めているのは次の2つとされています。
- 口腔内の健康状態
- 治療を続けられる生活習慣が整っているか
年齢そのものは条件に入っていません。
ただし、年齢とともに上がるリスクはある
ここは正直に書いておきます。年齢が直接の条件ではないとしても、年齢とともに変わるものはあります。
公開されている情報では、30代を過ぎると歯周病の有病率が上がるため、矯正前に歯周状態のチェックを受けておく必要があるとされています。
そして、重度の歯周病や顎関節症がある場合、矯正を行うことで症状の悪化を招く可能性があるとも書かれています。
つまり、年齢が上がるほど「状態」の確認が重要になるという関係です。年齢が壁なのではなく、年齢とともに増えるものが壁になりうるということになります。
マウスピース矯正で対応が難しいとされるケースにも、重度の歯周病が挙げられています。この点は八重歯はマウスピース矯正で治せる?境目は重なりの量と「苦手な動き」で扱っています。
「もう遅い」と考える前に確認できること
年齢を理由に迷っている場合、確認すべきなのは年齢ではなく状態です。
① 歯ぐきの状態。 歯周病が進んでいないか。ここが治療の可否に直結します。
② 歯を支えている骨の状態。 レントゲンで確認されます。
③ 続けられる条件があるか。 矯正は年単位で続きます。通院や自己管理が生活の中で成り立つかどうかです。
①②は自分では分かりません。「もう遅いですか」ではなく「自分の歯と歯ぐきの状態で可能ですか」と聞くと、答えが具体になります。
治療にどれくらいの期間がかかるかは歯の矯正期間は何で決まる?1ヶ月に動くのは最大1mmという上限で、全体の流れは歯科矯正の流れを「いつまで引き返せるか」で見る|装置を外して終わりではないで扱っています。
なお、歯が動く仕組みそのものは大人でも変わりません。骨の作り替えは大人でも起きています。この仕組みは歯の矯正とは何をしている?「骨の中を歯が移動する」で全部が説明できるで扱っています。
通院先を大宮周辺で検討する場合は、通いやすさも判断材料になります。年単位で通うことになるため、実際的な条件です。なお通院の頻度は医院の方式によって差があり、来院を最低1回※からとしている方式もあります。
※通院回数は治療内容・個人の状態により異なります
よくある質問
40代・50代からでも間に合いますか?
年齢の上限は示されていません。「歯と歯茎、あごの骨が健康であれば、何歳からでも矯正治療は可能」とされています。
ただし歯周病の有無を先に確認することになります。年齢が上がるほど、そこが判断の中心になります。
子どもはいつ相談すればいいですか?
選択肢が多いうちに一度診てもらうのが実際的です。あごの成長を利用する方法は、成長が終わると選べなくなるためです。
相談したからといって、すぐ治療を始めることになるわけではありません。時期を待つという判断もあります。
大人になってからだと期間が長くなりますか?
期間を決めているのは年齢ではなく、動かす距離です。ただし成長期のほうが歯は動きやすいとされており、成長を利用する方法が使えないという違いはあります。
同じ症例であれば、年齢による期間の差はそれほど大きくありません。
歯周病があると言われました。矯正はできませんか?
程度によります。重度の歯周病がある場合、矯正で症状の悪化を招く可能性があるとされています。
まずは歯周病の治療が先になります。状態が落ち着いてから矯正を検討するという順序であれば、選択肢が残ることがあります。
まとめ
「歯列矯正は何歳がベストか」という問いは、子どもと大人で別の問いになります。
子どもは年齢に意味があります。 0期治療が3歳〜5歳ごろ、第一期治療が6歳〜12歳ごろ、第二期治療が12歳以降とされており、とくに第一期はあごの成長を利用する方法です。成長が終わると選べなくなるため、時期を過ぎると取れる手が減ります。
大人には年齢の上限が示されていません。 「歯と歯茎、あごの骨が健康であれば、何歳からでも矯正治療は可能」とされ、50代・60代で治療を受けた方の例も示されています。決めているのは口腔内の健康状態と治療を続けられる生活習慣です。
ただし、30代を過ぎると歯周病の有病率が上がるとされ、重度の歯周病や顎関節症がある場合は矯正で症状の悪化を招く可能性があるとも書かれています。つまり年齢が壁なのではなく、年齢とともに増えるものが壁になりうるということです。
だから聞くべきは「もう遅いですか」ではなく「自分の歯と歯ぐきの状態で可能ですか」になります。検査とカウンセリングを無料で受けられる医院であれば、費用をかけずにその確認から始められます。